俺と竜輝がはじめてであったのは今から12年前の事だった。
 当時俺は5歳で竜輝は3歳。俺の家族が住まう家の左隣に、竜輝の家族が引っ越してきたのがきっかけだったっけ。俺が幼稚園の年長になった時、入園したばっかの竜輝と一緒に幼稚園のバスに乗るようになったんだよなあ。
 
 その時の竜輝は本当可愛かった。俺が言うのもなんだがほっぺがぷにぷにしていた髪も毛先がくるくる。バレッタとか付けたら女子じゃね? って思う位には可愛かった。

 ――ぼく、れんくんといっしょがいい!
 
 幼稚園のバスの席はいっつも俺の隣だった。俺の隣に誰かいる時は、後ろか前に座ってしょっちゅうちょっかいかけたり話しかけたりしていたのを思い出す。
 その割には虫が苦手でよく俺が取ってあげてたりしていたなあ。同じクラスのわんぱくないじめっ子にぶちのめされた時も俺がそいつらをシメにいったっけ。

 幼稚園では勿論クラスが違うので、それぞれ別々のクラスで過ごさなければならない。しかし竜輝はこっそり俺のいるクラスに行って担任の先生を困らせていた。
 この時の俺は今とは違って特段竜輝をうっとおしく思っていなかったので、竜輝がくっつけばされるがままになっていたのである。

 小学校も同じ学校に通うようになった。