人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 今日は自作の弁当を持ってきている。それに食堂に行けば竜輝がほぼ100パー来るだろうし、今はなるべく静かな場所にいたい。

「わかった」
「すまんな、忍」
「いいよ、気にすんな」

 じゃあまたあとでな。と軽く手を振ってくれた忍におうよ〜と小さく返事をした俺が向かった先は、あの体育館裏だった。

「さっきここでアイツが告白されてたんだよなあ……」

 近づいたらその時の事を思い出して胸が苦しくなるのに、竜輝がいた痕跡をたどってみたいと言う言語化しにくい気持ちに気が付いてしまったのでこの場所にした。木々がうっそうと生い茂っていて明るくはないけど、密集している木の葉の間から差し込む木漏れ日は暖かい。
 あの竜輝の首筋の匂いがまだ残ってたりして……って何考えてるんだ自分。

「よいしょ、と」

 体育館に繋がる扉を開け、へりの部分に座って黒いプラスチックな弁当の蓋を開けた。

 本日のメニューは卵焼き2切れと、レンチンするタイプのナゲットとフライドポテトと茹でたブロッコリー。殆どレンチンだけど、出来栄えには満足している。

「いただきまぁす」

 ここには俺だけしかいないから静かだし贅沢な気分だ。
 そんな中で最初に口を付けたブロッコリーは、噛んでみるとほんのり甘味がある。

「うん、うまいわ。さすが俺」

 自画自賛しながら弁当を食べすすめていると、なんか足音がこっちに近づいてきているような気がする。