人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 こんなタイミングよく微熱って出る事あるんだ……と驚きながらも、さぼる口実が出来た事は助かる。
 俺は心の中でガッツポーズしながら、問診用紙に体温と症状を記入していった。

「はい」
「熱は37度ね。ベッドの左空いてるからそっちで横になっててね」
「は~い……」

 指定されたベッドの中で横になると、保健室の先生がシャッとカーテンを閉めてくれた。静かで薄暗い空間の中に身をゆだねるようにして目をつむる。
 
「竜輝のばか」

 無意識に竜輝への愚痴が零れ落ちると、両目から涙がじんわりとあふれ出てきそうになった。

◇ ◇ ◇

 授業終わりのチャイムが鳴り、保健室の先生が俺を起こしに来てくれた。さっきは肩甲骨くらいの茶髪を降ろしていたのにいつの間にか大きな黒いバレッタでまとめているのに気が付いたのと、先生が体温計を渡したのがほぼ同時だった。
 熱は36.7度に下がっていたので、俺はまだ重たい足取りのまま教室に戻り制服に着替える。さっきは身体が動かなくなっていたけど今はだいぶ動けるようになったのは助かる。

「蓮也、大丈夫か?」
「忍、さっきはごめん」
「あやまんな。昼食えるか?」
「あーー……今日はちょっとひとりで食う」