人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 着替えが終わり、忍達4人とだべりながら体育館へ歩いている最中の事。渡り廊下に差し掛かった所で、前方に竜輝の後ろ姿が見えた。

「……竜輝か」

 俺と忍は声量を小さくする。だって竜輝の隣には小柄な女子生徒がひとりいたから。ぱたぱたと手を動かしながら彼の右隣をついていく女子生徒は、竜輝との体格差がとにかくエグい。
 
「忍、何だと思う?」
「どうせ告白するからついてこい、だろ」
「ですよね~」

 これからあの女子生徒は竜輝に告るのか。そう考えると竜輝がどんな反応を見せるのか気になる自分がいた。
 でも見てみたいって言いだそうとすると、胸の奥へと引っ込んでしまう。

「なあ、見てみねえ?」

 ここで友人のひとりが提案をしてきた。俺と忍はどうするべきかと顔を見合わせる。

「……まあ、見るだけなら」

 忍は別段構わないという具合のようだ。俺も見るだけなら……。と返すと、竜輝と女子生徒の尾行が始まる。

「体育館の裏へいくっぽい」

 渡り廊下の正面に体育館の入り口があるが、そこから右脇に逸れると体育館裏になる。女子生徒は竜輝の腕をぎゅっと掴んで引っ張ると裏側へと消えていった。
 女子が竜輝の腕を掴んでいる。その事実を見ただけで俺は胸がきゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。