人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

 なんだよ、俺の方がよく知ってるって……。と言い返したかったけど口をつぐむ。確かに竜輝とずっと一緒にいたのは俺の方だけど、中学は忍と一緒だったんだからさあ。
 俺なら全部知ってるってそんな事はない。俺にだって知らない事はたくさんある。

「ほ~い、授業始めるぞ~」

 モノクロのジャージに身を包んだ、50代のおっさん教師がけだるげに教室に入って来ると、学級委員長の忍が起立、礼。と号令をかけた。

「ほい、じゃあ数Ⅲの教科書の12ページ開いて。課題は授業終了後に出してもらうからな~」

 げえっと小さくうめき声みたいな声が聞こえて来るけど、まあいつもの事だ。皆が皆課題をやりたいなんて考えてないし。
 説明を耳で聞き流しながら、竜輝はふと何をしてるのかな、なんて思ってしまう。まあ今日から授業だろうし普通に授業受けてんだろう。
 どうせアイツの事だし、皆からちやほやされてるのかな……なんて。そう考えたらちょっと寂しくなるなあ。

「……い、さくらい! 桜井!」
「あっはい!」

 いっけね、気が付かなかった!