人気者なワンコ系年下幼馴染が今日もうっとおしい、けど……。

「はよ~」

 自分の席に着いたのと同時に、友人のひとりである吉川忍(よしかわしのぶ)と目が合ったので軽く挨拶をする。

「っす、蓮也」

 忍はクラスの学級委員長でありサッカー部の部長だ。口数はどっちかというと少ないけど真面目なやつ。ポジションはGKで黒いサラサラのショートヘアに肌はこんがりと日焼けしているのが特徴だ。あと口元の左下に大き目のほくろがあるのも目立つ。
 忍とは高校からの付き合いだが、なんだかんだで仲は良い。

「蓮也、なんかすっごい騒ぎが聞こえてきたけど大丈夫か?」

 ああ、竜輝にたかる女子達の声がこっちにまで聞こえてたのか。その事を忍に伝えるとアイツかあ……と苦笑いを浮かべる。

「忍、竜輝の事知ってんの?」
「中学一緒だった。で、その時からあんな感じ」

 初めて聞いた情報にえ? と変な声が出てしまった。

「忍、中学一緒だったの?」
「そうだけど? お前は幼稚園と小学校一緒だったんだろ?」
「知ってるのか……そうだけど……」
「なら、竜輝の事は俺よりお前の方がよく知ってるんじゃね?」

 忍がさも当たり前のように言いながら、1時間目の数学の教科書とノートを机の中から取り出している所で、始業のチャイムが鳴った。