あれから数日、いつものようにロシアくんと一緒に登校していたら、校門の方に見覚えしかない人物達を見付けた。
そう、アメリカくん、イギリスくん、イタリアくん、フランスくん、中国くん、韓国くん、日本くん、タイくんの八人だった。
ロシアくんの方を見ると、まるでそれを知っていたかのように「ふふふっ」と笑っている。
制服の着こなし方も様々だし、今までの校則はどうなったのっていうくらいのカラフルな髪色。
「菜羽、遅い〜!!」
「菜羽、おせーよ」
「イギリス、マリア様にそんなこと言わない」
ニコニコ笑顔でスっと包丁を取り出すイタリアくん。
「イタリアくん、包丁を外で出してはいけませんよ」
優しくなだめる日本くん。
「ヒーローの出番なんだぞ!」
「うわー、アメリカくんは子供だねー」
サラリとロシアくんがアメリカくんを煽る。アメリカくんはアメリカくんで笑顔なのに、何故か怖い。
「えーっと、喧嘩してる二人は放っておいて、職員室に行く説出てる〜?」
「ですね」
「また冷戦ですか」
「いい加減にしてほしいんだけど、、、」
「アハハ、、、」
「アメリカの育て方間違えたか、、、?」
韓国くんを先頭にしてアメリカくんとロシアくん以外、職員室に向かう。二人の周りは明らかに気温が低く感じた。
「マリア様、もう少しでチャイムが鳴ります。早く行きましょう」
唖然(あぜん)としている間にチャイムが鳴り始めて、、、
赶快(急げ)!!」
職員室前で別れ、教室に向かった。
「おおおおおはようございます!!」
滑り込みで教室に入ると、日直のメグちゃんが声をかける。
「菜羽ちゃん、おはよう。先生まだ来てないよ」
「セーフ、、、」
そしてホームルームが始まり、先生と転校生ズ(国の擬人化達)と堂々と遅刻してきたロシアくんが教室に入ってきた。
「また転校生!?」
「キャー!イケメン!!」
クラス中が女子の黄色い歓声に包まれる。
全員が同じクラスなの、、、何で?

キーンコーンカーンコーン。
チャイムの音に私はハッと(まばた)いた。
周りのみんながお弁当を出している。私だけ一限目の教科書を開いたままだ。
「も、もう昼休み!?」
「菜羽、ずーっと固まったままだったな」
隣の席の韓国くんがによによしながら言う。
「マリア様のフリーズ姿、、、最高でした」
イタリアくんは何故か拝んでいるし、、、。
バンッ。
教室のドアが大きな音を立てて開いた。
次の瞬間、他クラスの女子達が雪崩(なだれ)のように教室の中に押し寄せてくる。
「お昼一緒に食べよ〜」
「ねぇねぇ、外国から来たって本当!?」
殺到する生徒達に、八人の転校生ズはあっという間に包囲された。何故かロシアくんも包囲されているから九人で。
韓国くんもイタリアくんも人だかりに埋もれて見えなくなっている。
「俺は愛の国だからね、一人を選ぶなんて出来ないよ」
慣れたようにファンサ?をするフランスくん。
「中国さん、大丈夫じゃない説出てる、、、腰が」
「か、韓国、、、。ちょっと助け、、、」
ぎっくり腰になっている中国くんとそれを助ける韓国くん。
「あらら〜。完全に包囲されてしまいましたね」
「タイくん、、、少し楽しんでいます?」
そして埋もれていながらも楽しそうに会話しているタイくんと日本くん。
「お、紅茶が好きなのか!?俺も好きなんだ!良かったら好きなブランドとか教えてくれないか?」
「格好良い!」
イギリス()は紳士だからな」
紅茶の話で速攻で仲良くなっていたイギリスくん。