＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ この物語はあくまでもフィクションです ＝＝＝＝＝＝＝＝＝
============== 主な登場人物 ================
島代子（しまたいこ）・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。
飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。
戸部（神代）チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。
貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。
西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。
小雪（嵐山小雪）・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。
橘吉右衛門・・・府会議員。芸者ネットワークのスポンサーの1人。
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※京都には、京都伝統伎芸振興財団（通称『おおきに財団』）と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。
現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の５つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。
※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。
リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子（しまたいこ）である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。
午後1時。芸者ネットワーク本部。
代子のスマホが鳴動した。塔子と稲子は買物に出ていた。
塔子の、うわずった声が聞こえた。
「代子、大変。誘拐、目撃しちゃった。場所は、銀閣寺から少し離れた小学校の裏門近く。買物の後、ちょっと離れているけど、仙石さんの家に寄った帰りなの。ライトバンに乗せられて行ったの。どうしよう？」
「どうしよう？普通は110番でしょ。しっかりしてや。」代子が車椅子を押しながら、IP電話の方に向かうのを見た烏丸が近寄り車椅子を押した。
「車種は？ナンバーは？」
電話の向こうの稲子が、スマホに出た。恐らく塔子がスマホを耳に押し当てたのだろう。
「車種は分からない。白いライトバン。商売やってる人がよく使うタイプ。ドラレコにも映ってると思うけど、ナンバーは・・・。」
ナンバーを聞き終え、スマホを切った代子は、すぐにIP電話を使った。
このIP電話は、東山署とホットラインで繋がっている。
すぐに誰か出た。茂原だ。
代子は、ナンバーを教え、事情をかいつまんで話した。
「了解しました。非常線を張ります。」と、茂原は短く応え、電話を切った。
午後4時半。
小雪から代子のスマホに電話があった。
「ねえさん、京阪三条の付近で、手配された車をパトカーが発見、京都駅手前で逮捕したわ。今、チエちゃんと替わる。」
「もしもし、代子さん。お二人のお陰で『犠牲者』を出さずに済んだわ。最近、拉致事件が何件かあったの。那珂国後でシラを切るから、那珂国語で叱って、張り倒してやったわ。臓器売買の組織よ。芋づるになるかどうかは分からないけど、突破口は出来たわ。」
「ありがとう。」「礼を言うのは、こちらの方よ。いつもありがとうございます。」
電話を切ると、烏丸も塔子も稲子も安堵の息を漏らした。
「今日は、早仕舞いするか。雪も降ってきたし。みんな、『百枚漬け』持って帰って。」
代子は上機嫌だった。
―完―
============== 主な登場人物 ================
島代子（しまたいこ）・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。
飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。
戸部（神代）チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。
貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。
西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。
小雪（嵐山小雪）・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。
橘吉右衛門・・・府会議員。芸者ネットワークのスポンサーの1人。
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※京都には、京都伝統伎芸振興財団（通称『おおきに財団』）と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。
現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の５つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。
※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。
リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子（しまたいこ）である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。
午後1時。芸者ネットワーク本部。
代子のスマホが鳴動した。塔子と稲子は買物に出ていた。
塔子の、うわずった声が聞こえた。
「代子、大変。誘拐、目撃しちゃった。場所は、銀閣寺から少し離れた小学校の裏門近く。買物の後、ちょっと離れているけど、仙石さんの家に寄った帰りなの。ライトバンに乗せられて行ったの。どうしよう？」
「どうしよう？普通は110番でしょ。しっかりしてや。」代子が車椅子を押しながら、IP電話の方に向かうのを見た烏丸が近寄り車椅子を押した。
「車種は？ナンバーは？」
電話の向こうの稲子が、スマホに出た。恐らく塔子がスマホを耳に押し当てたのだろう。
「車種は分からない。白いライトバン。商売やってる人がよく使うタイプ。ドラレコにも映ってると思うけど、ナンバーは・・・。」
ナンバーを聞き終え、スマホを切った代子は、すぐにIP電話を使った。
このIP電話は、東山署とホットラインで繋がっている。
すぐに誰か出た。茂原だ。
代子は、ナンバーを教え、事情をかいつまんで話した。
「了解しました。非常線を張ります。」と、茂原は短く応え、電話を切った。
午後4時半。
小雪から代子のスマホに電話があった。
「ねえさん、京阪三条の付近で、手配された車をパトカーが発見、京都駅手前で逮捕したわ。今、チエちゃんと替わる。」
「もしもし、代子さん。お二人のお陰で『犠牲者』を出さずに済んだわ。最近、拉致事件が何件かあったの。那珂国後でシラを切るから、那珂国語で叱って、張り倒してやったわ。臓器売買の組織よ。芋づるになるかどうかは分からないけど、突破口は出来たわ。」
「ありがとう。」「礼を言うのは、こちらの方よ。いつもありがとうございます。」
電話を切ると、烏丸も塔子も稲子も安堵の息を漏らした。
「今日は、早仕舞いするか。雪も降ってきたし。みんな、『百枚漬け』持って帰って。」
代子は上機嫌だった。
―完―
