『優人さん
雨ばかり続いていますが、お元気ですか?
お約束していた脚本を書いてみました。この枚数で十五分らしいです。短いけど、まずは完成を目指しました。タイトルは、『この街が孤独だと感じる人と、僕は恋がしたい』です。
ちょっと恥ずかしいけど、それが一番、今の僕が考えていることだと思うから。
優人さんをモデルにしたって書いたけど、主人公の「ユウト」は宇宙人なんだ。
あのさ、最近友達ができて、映画に出演してくれるって言うんだ。びっくりでしょう?
だから、これはその友達のイメージも入ってるかも。すごく印象的な目をしてる。物言いたげにじっと見つめてきて、大切なことや、本当のことをさらっと言うんだ。
背が高くて綺麗な顔をしているやつだから、きっと優人さんも満足すると思うよ!
完成まで、やることが多くて自信はないけど、できるだけがんばってみます。だから楽しみにしててね。
kai』
『カイくん
脚本ありがとう、読みました。
地球人じゃないのに地球の恋愛に憧れてやってきて、誰かとつながりたいっていう「ユウト」の気持ち、痛いほど伝わってきたよ。
最初は恋に対して憧れに近い気持ちを持っていたユウトが、季節外れの桜が咲くのを見てから、ずっと離れられなくなる姿に感情移入しちゃった。
カイくんは誰かに恋をしているの? 想像で書いてるの? 脚本を読んだら気になっちゃった。
なんか変態オヤジみたいだな。もちろん、言いたくなかったらいいよ。でも、きみのことが気になりました。
yuto』
『優人さん
優人さんが僕の恋の話をするなんて、ちょっと驚いた。
僕が誰かに恋をしているか? どうだろう。実は、優人さんみたいな人と恋をしたいなと思っていたんだ。
だけど最近色々なことがあって、自分でもよくわからなくなってきちゃった。ねえ優人さん、もしよかったら、今度一緒に東京に行きませんか。
実は、僕の好きな映画監督、大竹潤監督の『ムーンリバー』って作品が、来月東京で一週間だけリバイバル上映されることが決まったんだ。どうしてもそれを観たくて、今度親に内緒で行ってこようかなって思ってる。それで、もし可能だったらなんだけど、一緒に観に行かない? 誰か一緒に来てくれたら心強いし、優人さんに会えたら、自分の気持ちも整理できる気がする。
大竹監督の映画は、七月二週目の一週間だよ。期末試験もあるし、行くなら土曜日しかないかなって思うけど。どうですか?
kai』
「あー……」
俺は授業中にこっそり開いた手紙を見て、だらだらと伸びてしまった自分の前髪を左手でぐちゃぐちゃにした。
夏海が優人に会いたい、と言う。
よく考えたら、そんな可能性はいくらでもあったはずだ。
(やっぱ嘘つくのはよくなかったー……死にたい……)
あのときに時間を戻して、自分の名前を書きたい。わかっている。あのとき自分の名前だったら返事なんてできなかった。
だけど、今さら、恋してるかなんて聞いたのが自分だなんて。
せっかく、本当のことを言うって自分のことを言ってくれたのに。優しくて誠実だって言ってもらえたのに。
(なんで俺、優人じゃないのかなあ)
夏海よりもう少し早く生まれていたら、少しは自信が持てていただろうか。それとも、叔父さんや堀さんみたいに自分のやりたいことをちゃんとわかって、それがやれていたら?
『カイくん
お誘いありがとう。僕も大竹監督の映画、きみと一緒に観たいです。でも七月二週目はごめんね、どうしても都合がつかないんだ。
僕の電話番号を書いておくよ。もし東京で困ったら電話して。メッセージでも、わからないことがあれば、僕にできることなら教えるから。
ごめんね、都合がつかなくて。会いたくないわけじゃないんだ。僕に、もうちょっとだけ時間をください。
yuto』
雨ばかり続いていますが、お元気ですか?
お約束していた脚本を書いてみました。この枚数で十五分らしいです。短いけど、まずは完成を目指しました。タイトルは、『この街が孤独だと感じる人と、僕は恋がしたい』です。
ちょっと恥ずかしいけど、それが一番、今の僕が考えていることだと思うから。
優人さんをモデルにしたって書いたけど、主人公の「ユウト」は宇宙人なんだ。
あのさ、最近友達ができて、映画に出演してくれるって言うんだ。びっくりでしょう?
だから、これはその友達のイメージも入ってるかも。すごく印象的な目をしてる。物言いたげにじっと見つめてきて、大切なことや、本当のことをさらっと言うんだ。
背が高くて綺麗な顔をしているやつだから、きっと優人さんも満足すると思うよ!
完成まで、やることが多くて自信はないけど、できるだけがんばってみます。だから楽しみにしててね。
kai』
『カイくん
脚本ありがとう、読みました。
地球人じゃないのに地球の恋愛に憧れてやってきて、誰かとつながりたいっていう「ユウト」の気持ち、痛いほど伝わってきたよ。
最初は恋に対して憧れに近い気持ちを持っていたユウトが、季節外れの桜が咲くのを見てから、ずっと離れられなくなる姿に感情移入しちゃった。
カイくんは誰かに恋をしているの? 想像で書いてるの? 脚本を読んだら気になっちゃった。
なんか変態オヤジみたいだな。もちろん、言いたくなかったらいいよ。でも、きみのことが気になりました。
yuto』
『優人さん
優人さんが僕の恋の話をするなんて、ちょっと驚いた。
僕が誰かに恋をしているか? どうだろう。実は、優人さんみたいな人と恋をしたいなと思っていたんだ。
だけど最近色々なことがあって、自分でもよくわからなくなってきちゃった。ねえ優人さん、もしよかったら、今度一緒に東京に行きませんか。
実は、僕の好きな映画監督、大竹潤監督の『ムーンリバー』って作品が、来月東京で一週間だけリバイバル上映されることが決まったんだ。どうしてもそれを観たくて、今度親に内緒で行ってこようかなって思ってる。それで、もし可能だったらなんだけど、一緒に観に行かない? 誰か一緒に来てくれたら心強いし、優人さんに会えたら、自分の気持ちも整理できる気がする。
大竹監督の映画は、七月二週目の一週間だよ。期末試験もあるし、行くなら土曜日しかないかなって思うけど。どうですか?
kai』
「あー……」
俺は授業中にこっそり開いた手紙を見て、だらだらと伸びてしまった自分の前髪を左手でぐちゃぐちゃにした。
夏海が優人に会いたい、と言う。
よく考えたら、そんな可能性はいくらでもあったはずだ。
(やっぱ嘘つくのはよくなかったー……死にたい……)
あのときに時間を戻して、自分の名前を書きたい。わかっている。あのとき自分の名前だったら返事なんてできなかった。
だけど、今さら、恋してるかなんて聞いたのが自分だなんて。
せっかく、本当のことを言うって自分のことを言ってくれたのに。優しくて誠実だって言ってもらえたのに。
(なんで俺、優人じゃないのかなあ)
夏海よりもう少し早く生まれていたら、少しは自信が持てていただろうか。それとも、叔父さんや堀さんみたいに自分のやりたいことをちゃんとわかって、それがやれていたら?
『カイくん
お誘いありがとう。僕も大竹監督の映画、きみと一緒に観たいです。でも七月二週目はごめんね、どうしても都合がつかないんだ。
僕の電話番号を書いておくよ。もし東京で困ったら電話して。メッセージでも、わからないことがあれば、僕にできることなら教えるから。
ごめんね、都合がつかなくて。会いたくないわけじゃないんだ。僕に、もうちょっとだけ時間をください。
yuto』
