「はあ!?また鳴海くんのこと頼まれたの!?どうせ募っても鳴海くんにお線香を上げに行く人なんていないから澪に押し付けただけじゃん。そんなの怒るか断るかしたらいいのに」

「それもそうだけど、鳴海くんとはクラスメイトだったし関わりがあったから受け入れただけだよ。だから萌華が心配してくれるのもわかるけど、大丈夫だよ」


萌華がぎゅーと抱きついてきた。


「なんていい子なの!本当、澪はこの学校の女神だよ〜」

「あはは、そんなことないよ」


萌華に何気なく返事をしながら、昨日鳴海くんに言われた言葉を思い出す。



「俺、おまえみたいな“いい子ちゃん”大嫌いなんだよ」


久しぶりに登校をしてきた鳴海くんにプリント類を渡すように田沼先生から頼まれて、体育館裏にいる鳴海くんをやっと見つけて話しかけると開口一番にそう言われた。

しかも懲りずにまたタバコを吸っているし。


「…え?」

「頼まれたのかなんなのか知らねぇけど、いつまで言いなりになってこんな問題児にわざわざ話しかけてくんだよ。放っておけばいいだろ」

「…たしかに、学級委員だからって理由で頼まれたのもあるけど、私は私の意思でここに来ているよ。鳴海くんともクラスメイトなんだから、仲良くなりたいと思って…」