悪いことをしてしまったというのに、私の心臓はさっきからバクバクと楽しげに鳴っていて気分も清々しかった。
「悪かったな。おまえのこと何も知らないのに八つ当たりで嫌味言って。それにおまえはさっき怒る感情を忘れたって言ってたけど、さっき言ってたことがおまえの中にあった怒りの象徴だろ。人生を決めてくる親、言いなりになっている自分に対しての怒りだと思ったんだけど、違う?」
「…え?」
そう、なのかな…。
ずっと私は昔に押し殺したと思い込んでいただけで、本当は色々なことに対しての怒りを心の中に溜め込んでいただけなんだ。
それを引き出してくれたのは、紛れもなく目の前にいる鳴海くんだ。
「この際思ってること全部吐き出せよ。ここには死んだ俺しかいない。いい子でいる必要なんてないんだ」
「…私、本当はバイトがしてみたい。塾とかピアノとか水泳とか、本当はどうだっていいの。何回も何十回もサボりたいって思った。興味もないことに時間を使うよりも、最初はうまくいかないかもしれないけどその経験をしてみたい。自分の世界を広げたい。私はいい子でいたいわけじゃない。少しくらい悪いことだってしてみたいし、夜更かしだってしてみたい。つまらない毎日で生きているくらいなら、死んだ方がずっとマシ…!」
一気に捲し立てたせいで、酸素が足りず大きく息を吸い込む。
夜の風って、こんなに気持ちのいいものだったんだ…。
いつも門限のせいで塾以外の日は真っ直ぐに家に帰っていたため、こんな風に誰かと夜の公園で話すことも初めてだ。
だから知らなかった。私の中に押し殺したはずの感情がこんなにもたくさん溜まっていたことに。
「悪かったな。おまえのこと何も知らないのに八つ当たりで嫌味言って。それにおまえはさっき怒る感情を忘れたって言ってたけど、さっき言ってたことがおまえの中にあった怒りの象徴だろ。人生を決めてくる親、言いなりになっている自分に対しての怒りだと思ったんだけど、違う?」
「…え?」
そう、なのかな…。
ずっと私は昔に押し殺したと思い込んでいただけで、本当は色々なことに対しての怒りを心の中に溜め込んでいただけなんだ。
それを引き出してくれたのは、紛れもなく目の前にいる鳴海くんだ。
「この際思ってること全部吐き出せよ。ここには死んだ俺しかいない。いい子でいる必要なんてないんだ」
「…私、本当はバイトがしてみたい。塾とかピアノとか水泳とか、本当はどうだっていいの。何回も何十回もサボりたいって思った。興味もないことに時間を使うよりも、最初はうまくいかないかもしれないけどその経験をしてみたい。自分の世界を広げたい。私はいい子でいたいわけじゃない。少しくらい悪いことだってしてみたいし、夜更かしだってしてみたい。つまらない毎日で生きているくらいなら、死んだ方がずっとマシ…!」
一気に捲し立てたせいで、酸素が足りず大きく息を吸い込む。
夜の風って、こんなに気持ちのいいものだったんだ…。
いつも門限のせいで塾以外の日は真っ直ぐに家に帰っていたため、こんな風に誰かと夜の公園で話すことも初めてだ。
だから知らなかった。私の中に押し殺したはずの感情がこんなにもたくさん溜まっていたことに。



