========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。チエを「お嬢」と呼んだり、「小町」と呼んだりしている。
小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。
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※各山送り火のよく見えるところ
大文字 20:00〜20:30頃 鴨川(賀茂川)付近〔丸太町橋~御薗橋〕、京都御苑
妙 20:05〜20:35頃 北山通〔京都ノートルダム女子大学附近〕
法 20:05〜20:35頃 高野川付近[出町柳より上流]、北山通[松ヶ崎駅より東]
船形 20:10〜20:40頃 賀茂川付近[北山大橋〜西賀茂橋付近]
左大文字 20:15〜20:45頃 西大路通〔円町~金閣寺〕
鳥居形 20:20〜20:50頃 渡月橋付近・松尾橋付近・広沢池など
その他 ー 市内各ホテル屋上など
午後7時。右京区。渡月橋付近の車折神社。
チエは、またもや小雪の芸者ネットワークで、神社が狙われていることを知り、茂原刑事と張り込んでいた。
渡月橋は、「京都五山送り」がよく見えることで有名だ。
この日は、近隣の県から応援の警察官が各所に警備会社の警備員と共に大勢配置される。
観光客も多い。当然、よからぬことを企む者も少なくない。
準備段階から、厳重な警備を行う。
「大きな焚火」と称する人もあるが、当たらずとも遠からじ。伝統行事の「たき火」。
ところが、近隣の国のみならず、「ヘンな正義感」に燃える外国人も増え、どうにかして妨害してやろうと企んでいる。彼らの目には、「人工的な山火事」を起こすことになるらしい。
あの五種類の絵模様は、「偶然」ではない。周囲を伐採あるいは剪定して、あの形の台を作り、木材を置いて、点火する。
「火遊び」ではない。
東京都の明治新宮周辺の整備計画を、まるで住宅作る為の伐採のように言った、都知事選候補者もいた。
「よく調べてから言え」案件だが、一方的な考え方の人間には、まるで二次元のゲームのように頭の中に展開する。
さて、小雪の「情報」通り、カメラを担いだ男と10人の男がやって来た。
一人は、灯油を持っている。
犯罪を、New Tubeで発信する気だ。正気の沙汰ではない。
「神社は、ワックスかけんでもええで。」
驚いた男達が見たのは、『牛若丸』のコスプレのチエだった。
ちゃんと、小雪にメイクをして貰ってある。
男達は、カメラマンを除いて散った。
チエは走った。渡月橋に。
男達は竹刀や木刀を持っていた。
ナイフを持っている者は一人いた。
リーダーに違い無い。
チエは、瞬時に木刀男の手首を手刀で攻撃、木刀を奪った。
そして、奪った木刀でナイフ男のナイフを弾き跳ばした。
チエは『八艘飛び(はっそうとび)』をした。八艘飛びとは、身軽に飛び回ることのたとえだが、チエの運動神経では容易な業だった。
あっという間に倒した、その映像は、映した観光客が動画をSNSに投稿したので、『渡月橋の牛若丸』と後に噂されることとなる。
チエは後始末を茂原に任せ、走った。
午後8時。渡月橋近くの料理屋。
小雪が手配した店から、充分に『送り火』が見えた。
「よう間にあったなあ。」と、神代はチエを褒めた。
「チエちゃん、また、股、踏んだん?」「さあ?」
僅かな時間でも、ゆっくり鑑賞出来て満足げな親子を小雪は微笑んで見ていた。
―完―
============== 主な登場人物 ================
戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。チエを「お嬢」と呼んだり、「小町」と呼んだりしている。
小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。
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※各山送り火のよく見えるところ
大文字 20:00〜20:30頃 鴨川(賀茂川)付近〔丸太町橋~御薗橋〕、京都御苑
妙 20:05〜20:35頃 北山通〔京都ノートルダム女子大学附近〕
法 20:05〜20:35頃 高野川付近[出町柳より上流]、北山通[松ヶ崎駅より東]
船形 20:10〜20:40頃 賀茂川付近[北山大橋〜西賀茂橋付近]
左大文字 20:15〜20:45頃 西大路通〔円町~金閣寺〕
鳥居形 20:20〜20:50頃 渡月橋付近・松尾橋付近・広沢池など
その他 ー 市内各ホテル屋上など
午後7時。右京区。渡月橋付近の車折神社。
チエは、またもや小雪の芸者ネットワークで、神社が狙われていることを知り、茂原刑事と張り込んでいた。
渡月橋は、「京都五山送り」がよく見えることで有名だ。
この日は、近隣の県から応援の警察官が各所に警備会社の警備員と共に大勢配置される。
観光客も多い。当然、よからぬことを企む者も少なくない。
準備段階から、厳重な警備を行う。
「大きな焚火」と称する人もあるが、当たらずとも遠からじ。伝統行事の「たき火」。
ところが、近隣の国のみならず、「ヘンな正義感」に燃える外国人も増え、どうにかして妨害してやろうと企んでいる。彼らの目には、「人工的な山火事」を起こすことになるらしい。
あの五種類の絵模様は、「偶然」ではない。周囲を伐採あるいは剪定して、あの形の台を作り、木材を置いて、点火する。
「火遊び」ではない。
東京都の明治新宮周辺の整備計画を、まるで住宅作る為の伐採のように言った、都知事選候補者もいた。
「よく調べてから言え」案件だが、一方的な考え方の人間には、まるで二次元のゲームのように頭の中に展開する。
さて、小雪の「情報」通り、カメラを担いだ男と10人の男がやって来た。
一人は、灯油を持っている。
犯罪を、New Tubeで発信する気だ。正気の沙汰ではない。
「神社は、ワックスかけんでもええで。」
驚いた男達が見たのは、『牛若丸』のコスプレのチエだった。
ちゃんと、小雪にメイクをして貰ってある。
男達は、カメラマンを除いて散った。
チエは走った。渡月橋に。
男達は竹刀や木刀を持っていた。
ナイフを持っている者は一人いた。
リーダーに違い無い。
チエは、瞬時に木刀男の手首を手刀で攻撃、木刀を奪った。
そして、奪った木刀でナイフ男のナイフを弾き跳ばした。
チエは『八艘飛び(はっそうとび)』をした。八艘飛びとは、身軽に飛び回ることのたとえだが、チエの運動神経では容易な業だった。
あっという間に倒した、その映像は、映した観光客が動画をSNSに投稿したので、『渡月橋の牛若丸』と後に噂されることとなる。
チエは後始末を茂原に任せ、走った。
午後8時。渡月橋近くの料理屋。
小雪が手配した店から、充分に『送り火』が見えた。
「よう間にあったなあ。」と、神代はチエを褒めた。
「チエちゃん、また、股、踏んだん?」「さあ?」
僅かな時間でも、ゆっくり鑑賞出来て満足げな親子を小雪は微笑んで見ていた。
―完―


