未来未定

部活紹介も終わって、点呼とって、今度はカレー作り。

先生、ちょっと頭痛くて…とか?
いっそ何も言わずに逃亡するか。

「あ、さっきの君、佐藤さんね。もしかしてサボろうとしてる?そんな廊下で突っ立って」

「いや?そんな事ないですよ真面目に文芸部を考えて…」

サボりを隠すつもりで喋ったら、余計な事口走った。
文芸部のこと言わなくても良かったのに。

「ほんと!?本読むの好き??それとも何か書いたりするの?」

はぁ、めんどくさいことになったな。
自分のこと聞かれるのは、あんまり好きじゃないのだけど。


「携帯小説なら書いてました、でも結果出なくて」

「あ〜わかる。小説って書くの難しいよね。コンテストとかって求めてるものが何かってイマイチ審査員に伝わらないと、まず通らないし」

「もうね、諦めてます。上手くいかないですもん」

「書きたいもの書くことが一番の近道だと思うよ、ていうか、文芸部入ってくれるってことでいい?解釈」


「え、入るんですか私、学校来ないかもだし」

「いいよ来た時おいでよ、居場所になるかもよ?実はね、中々文芸部人集まらなくてさ、いつも部室で独りなんだよね。部活というより同好会ってところかな」

「でも、色んな人いるって………あれ嘘なんですか?」

「ちがうよ?全部僕の話」

「読書感想文も本読む人も書くのも僕、何も間違ってない、そういう人がいること自体ちゃんと当たってるじゃないか。だからお願い!入って文芸部、本当に寂しいんだ僕ひとりで」

「……いいですよ、入ってあげます。でも、……私メンヘラなんで、振り回すかもですよ。本当に覚悟してください」

なんて言うか、そんな気分。
別に入ってもいいかなって、なんか趣味欲しかったし。
もう一度携帯小説頑張るのもありかって思えたんだよね。
先輩、結構本気っぽいし。

「え、僕が覚悟?……何されるんだ」

「一緒に死んでくださいとか」

「ダメダメ、自殺は関与できない、君だけ生き残ったら苦痛だよ?絶対」

「…………残酷なこと言いますね」

「言ってるのはむしろ佐藤さんの方なんだけど」