新入生交流会、当日。

下駄箱から4階の教室に移動したものの、黒板には「集合場所は体育館です」と書いてあった。

………ふざけてんの?
4階まで昇ったのに?

……はぁ…。

なんでここまで必死に学校通ってんのかって、そりゃあ、高校卒業という事実こそに価値があるからよ。

こんな私でも、目標はあるのよ。
高校入学したからには、卒業するって。

高校に関してはお父さんが学費を出してくれてるし。
お父さんに親孝行の気持ちもある。
本当はお父さんと一緒に暮らしたかったけど、無理だったから。

そんなことを考えながらやっとの思いで体育館に行くと、たくさんの生徒がもう既に待っていた。

おそらく先輩方も、前の席の方は新入生で、後ろの方の席に座ってるのが先輩たちなんだろうな。

…………しんど。
この中入っていくの?
この集団の中?


きつすぎ。

「あれ、新入生かな?……入らないの?もうそろ始まると思うけど」

「っえ、…あ、…えっと……この中に入るの、こわくて」

「僕が着いてってあげようか、クラスはどこ?1年何組?」

「あの、私知らない人と深く喋る気ないんで」

「あぁごめんね。僕は恩田 千春(おんだ ちはる)3年2組、文芸部だよ」

「そんな簡単に自己紹介していいんですか、私が悪者だったらどうするんです?」

「あ〜、確かにこの学校ヤンチャやってる人結構いるからな、もはや捕まれ?まあでも、君に悪い要素は感じないかな今のところ」

「……ただのニートなのでね」

「ニートって、JKの間違いでしょ、まだピチピチじゃん。15歳でしょ?」

「さぁ、それはどうかな…です。」

「てか点呼いいの?名前とクラス教えてくれなきゃ、案内できないよ、来たはずなのに単位取れないよー」

「……む…。佐藤 未来(さとう みらい)です。3組」

「じゃあ左奥の先生がたってるとこの列、後ろから並んでたら、点呼とってくれるよ」

「ありがとうございました」