[11] 夏祭りの約束
「今週の土曜日、空いてるか?」
久しぶりに会えた放課後、良樹が言った。
「土曜日?」
「夏祭りがあるだろ。一緒に行こう」
「……え?」
「演技のために、恋人らしいイベントを経験しとくのも悪くないと思ってな」
(ああ、そういうことか)
ちょっとだけ、残念に思った。
でも、素直に頷く。
「うん、行こう」
「じゃあ、決まりな」
久しぶりに約束を交わした。
その日は、久しぶりに“恋人”として過ごせる日になる――はずだった。
「今週の土曜日、空いてるか?」
久しぶりに会えた放課後、良樹が言った。
「土曜日?」
「夏祭りがあるだろ。一緒に行こう」
「……え?」
「演技のために、恋人らしいイベントを経験しとくのも悪くないと思ってな」
(ああ、そういうことか)
ちょっとだけ、残念に思った。
でも、素直に頷く。
「うん、行こう」
「じゃあ、決まりな」
久しぶりに約束を交わした。
その日は、久しぶりに“恋人”として過ごせる日になる――はずだった。



