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「……っは、う、そ……だろ。」

あの最悪な出来事から1年半くらいの今日。
高校最後の新学期が始まろうとしていた。

ちょうど今俺は玄関で新しいクラスを確認していた所だった。


…ふざけんな、こっちがどれだけの思いであいつから離れたと思ってんだ…っ。

……クソすぎる。ほんっと、このクラス編成を作った教師たちを呪ってやりたい。

本当に最悪だ……。




__俺の新クラス3年6組には、俺の名前とともに神田季威の名前もあったのだ。




「あーーっ!ゆーり、久しぶり!あと数年ぶりに同じクラスだねっ、楽しみだね〜っ。」

……はっ、何が楽しみだか。

大きな声を出し瞳をキラキラさせた季威が子犬のようにこちらへ走ってきた。



「そりゃよかったね。こっちはまたこのうるさい季威をお世話しないといけないと思うと頭が重いわ。」

……もう近寄ってこないでくれ、そう言いたくて言いたくない。
もう、おかしくなりそうだ。

「んー?きい、そんなゆーりに迷惑かけた覚えないなぁ。」

……確かにそれはそうかもしれない。 

「あーそうですか。」

真面目に答えるのもできなくなってきて適当にあしらい、校内へと入る。