「おはよう!!朝だねいい天気だね、ゆーり!!」

「ふぁ…うっさい黙って季威。」


はぁ、頭キンキンすんだけど……。そしてなんで体当りしてくんだし。


俺が苛ついて睨みつけたこいつの名前は、神田季威。

天真爛漫、気分屋、自己中心的の3つが揃い、また可愛い子ぶってんのか、何なのか一人称が自分の名前であるというかなり変わった迷惑人だ。


じゃあ、なぜ俺がこんな奴と一緒にいるのか?

それは、家が近所の幼馴染だからだ。

性格は真逆に近いけれど、逆にだからなのか一周回って一緒にいるのは居心地が良く、昔からくっついて行動していた。

まぁ今は別とするけれど。


こんな感じで双子のように育ってきたが、俺たちは決定的に違うことがあった。



それは、こいつの家元は日本最大の財閥、神田財閥であり、長男の季威は財閥の跡取りであるということ。



つまり俺なんかと違い、超お金持ちの家庭で育った御曹司なのだ。
ちなみに俺は両親さえいなくバイトで食いつなぐ超貧乏人だ。



だから、俺たちはどれだけ一緒にいようと、"同じ"にはなれない。