「……大好きだよ季威、俺も。恋愛的な意味で。」


あぁ……やっと、やっとだ。
やっと俺の気持ちを伝えることができたんだ……。



「ふっ。俺も大好きだよ。」

なんて見たことないくらい嬉しそうなキラッキラの笑顔を浮かべた季威に目を細めた。



「………ほんっと、眩しい。
ずっとその輝かしさに、俺を引っ張ってくれる優しさにずっと惹かれてた。」

言うつもりもなかったのに、無意識的にこぼれ落ちた言葉。

この眩しさを手に入れようと思ったら……焼かれ焦がされ傷つくだけだと思っていた。

……でも、そんなことなかった。

温かくて……その眩しさを俺にも分け与えてくれた。
隣で俺を照らしてくれた。


「ふは、俺を御曹司じゃなくて幼馴染、友人として見てくれた憂俐にどれだけ救われてたか。……物心がついたときから憂俐が大好きなんだよ。」

ほんっと、憂俐って鈍感。
そう言った季威の笑顔が艶めいていて不意にドキッと胸が高鳴ってくる。


「……っ。そんなん、分かるわけ無いじゃん。」

……やっぱ、嫌い、こいつ。
俺が季威に勝てることは絶対にないのかもしれない。


「あーあ、ほんといつまでもひねくれさんだよね憂俐は。」

意地悪げに笑った季威はまた俺に近づいてきて。


「もう二度と離れないで俺だけ見てて。」

……季威もバカだよね。
そんなこと言う時点でさ。


どちらからともなくキスを交わした。
温かくて、幸せが胸いっぱいに広がるキスだった。


……昔から俺は季威以外の人を瞳に映したことないよ。