「ほんと憎たらしい、お前なんて死ぬまで嫌いだよ。」



……ウソだ。
俺は何年経っても、いつまでも嘘つき。



こんなこと続けて本っ当にバカみたいだ。いや、みたいじゃなくて俺は生粋のバカだ。

バカだってわかってるのになんで、こんなこと続けるのか。



………本当は全部わかってる。


いつまでも捻くれて、意地なんか張って1人きりで自分だけが可哀想なふりをして。
眩しい光を放って、俺の手を引っ張ってくれようとするあいつの手だけは振り払って。

自分の気持ちを上手くコントロール出来なくて、この世で1番卑怯な手を使ってバカなことをしてることも。


そして………この行為は全て、あいつにどうしようもなく惹かれて……取り返しのつかないところまで堕ちてしまった俺の気持ちを誤魔化すためであり、


全て、自分につけられる傷が最小限にするための保険だってことも。



……そんなこと、とっくの昔にわかってる。



全てのことの発端は……1年前。

……俺の両親の命日だった。