夢から覚めると、一筋の柔らかな光が天井を照らしていた。体を起こして伸びをしようとすると、手のひらにふわふわした感触と心地よい温もりがあることに気づく。自分の右手に視線を移して、そこにいる猫がじっとこちらを見ていることに気づいて、僕はふっと微笑んだ。


「おはよう、先輩」


 今日もまた、あめは──凪葉先輩は2度目のおはようと言わんばかりに、にゃあんと声を出した。