本人の意向をまるで汲んでいないメッセージ。
あまりにも皐月らしい、マイペースな誘い方。
いつもなら“なんだこいつ”ってなるところ。
…なのに。
「…っ、バカは俺の方だ」
こんなにも簡単に、胸が弾む。
通知を見たら息が詰まって苦しくなるし、呼吸を忘れて放課後の約束ひとつで嬉しくなる。
そばにいてもいなくても、気づけば心の中に入り込んできて、俺を惑わすんだ。
指先が勝手に動く。
送信するのに躊躇うなんて、今までなかった。
ただ返信するだけなのに、こんなに緊張するなんて、知らなかった。
それは、全部あいつが俺の心を揺らすから。
『肉まん』
スマホを閉じて、机の中にしまう。
いつもならカバンにしまうのに、今日は違った。
『りょーかいしました。約束ですよ?』
5分休憩が過ぎた頃、廊下から教員の姿が見え、これから授業が始まるのだと悟る。
放課後まで約6時間。
いつもなら淡々と過ぎていくその時間も、今日はやけに長く感じた。
あまりにも皐月らしい、マイペースな誘い方。
いつもなら“なんだこいつ”ってなるところ。
…なのに。
「…っ、バカは俺の方だ」
こんなにも簡単に、胸が弾む。
通知を見たら息が詰まって苦しくなるし、呼吸を忘れて放課後の約束ひとつで嬉しくなる。
そばにいてもいなくても、気づけば心の中に入り込んできて、俺を惑わすんだ。
指先が勝手に動く。
送信するのに躊躇うなんて、今までなかった。
ただ返信するだけなのに、こんなに緊張するなんて、知らなかった。
それは、全部あいつが俺の心を揺らすから。
『肉まん』
スマホを閉じて、机の中にしまう。
いつもならカバンにしまうのに、今日は違った。
『りょーかいしました。約束ですよ?』
5分休憩が過ぎた頃、廊下から教員の姿が見え、これから授業が始まるのだと悟る。
放課後まで約6時間。
いつもなら淡々と過ぎていくその時間も、今日はやけに長く感じた。

