風紀委員____それは、学校の秩序を守るためにあるもの。

しかし、今どき風紀委員会がある高校はあまり見られない。
偏差値がそこそこ高い学校なら尚さら必要ないだろう。

かくいう俺が通っているところも県内では名の知れた高校で。
風紀を乱すような生徒はいないにもかかわらず、風紀委員会が存在する。

入学当初、委員会を決めるときに「これはしめた」と思った。
問題を起こすような生徒がいなければ仕事が無いも同然。
だから俺は真っ先に風紀委員会に手を挙げ、この1年間特に何の問題なく務めてきた。

2年生になってからも、言わずもがな風紀委員会へと入った。
これならこのまま3年間、やり過ごしていける……はずだった。


「せーんーぱ〜い。パーカー返してくださいよ〜」


こいつが現れるまでは。


「返してくださいよ〜じゃない!毎回毎回、お前の私物を管理させられる俺の気持ちにもなってみろ!」

「まぁまぁ、そうカッカしないで。あんまりストレス溜めるとハゲますよ?」

「誰のせいだと思ってんだ!!」

「誰でしょうねぇ」