警察に通報し、事情を説明すると、彼は既に複数の女性から同様の報告があがっていたという。調査の結果、アスマは過去に不審な行動を繰り返していた男であり、詐欺や窃盗の前科もあった。

「やっぱりヤバい男だったんだ…」

改めてゾッとした理彩は、警察からのアドバイスもあり、しばらく実家に避難することに。

「あんなヤバい男と二度と関わりたくない」

そう誓ったものの、彼女の手元には、アスマが残した千円札が一枚残っていた。

何気なく光にかざしてみると、そこには…

「次は君が銀行強盗の計画を立てる番だね」

——と、小さく書かれていた。

(完)