城の見学が終わり、理彩は一刻も早く帰ることを決意した。

「今日はありがとう。楽しかった!」

そう言って足早に帰ろうとする理彩に、アスマは少し寂しそうな表情を浮かべた。

「また会おうね」

「う、うん…」

その夜、理彩はすぐにアスマをブロックし、マッチングアプリも退会した。

「気くばりができると思ったら、気の配り方が斜め上だった…」

マッチングアプリは恐ろしい。しばらくは、家でおとなしく一人でレトルトカレーを食べようと決めた理彩だった。