黒龍王の縁結び師


言葉の端々に蘭花はイラッとするものを感じたが、しっかりと調べてきた上で頼みに来たのだ、よほど良縁を望んでいるのだろう。
だがどうしようもない男であれば簡単にお相手を見つけることなどできない。

「あなた様がお仕えする方の為に必死であるのはわかりました。
ですが先ほども申しましたが、無い縁を見つけることなど出来ません」
「それはもしもお仕えしている方がどうしようもない男なのでは、言う意味でしたら、まっったく違います。
見目も良く、お人柄も良い方です、少々子供ではありますが」

途中男が拳を握って否定したが、最後の言葉は口ごもるように言ったので蘭花には聞こえなかった。

「お年は」
「二十歳になられました」
「なのに何故お相手が見つからないのでしょう。
その方はお相手に対して高い理想や、難しい希望があるのでしょうか」
「いえいえ!」