「顔赤いけど、もしかして熱上がってる?」 「らいりょーぶれすよ(だいじょうぶですよ)」 「うん、大丈夫じゃないね。……とは言ってもどうしたらいいんだろう。きみが苦しんでるのに、看病ひとつ満足に出来なくてごめんね」 お酒とはまた違ったふわふわとした意識の中、気にしないでください。とか寝てれば治りますよ。なんて先輩を勇気づける言葉が浮かんでは消えていった。 「……うぅん、ん」 「なあに、手を握ってほしいの?」 ひんやりとした手が、わたしの火照った手のひらをやさしく包んできた。