「で、どうして先輩はラブレターを紙飛行機にしていたんですか?」
「気になる?」
そりゃあまあ。と言い淀めば、また笑われた。
「俺さ、ちょっと一途になってみようかな〜って思ってるんだよね。最近」
そう言いつつ、また片手間で自称ラブレターの紙たちを折っていく先輩。
「きみも、この飛行機飛ばしてみる?」
「いや、それ先輩宛のラブレターですよね」
「うん、そうだけど」
なにか悪いことでもしてる? なんてくりくりとした大きな瞳で見つめられながら首を傾げられたら、本当にしていてもなぜか『してます』と言い返すことが出来なかった。



