次に先輩に会えたのは、たまたま昼休みに中庭を通った時。大学校舎のコの字型に取り囲まれた簡易的な緑が広がるその場所で、彼はひとり紙飛行機を飛ばしていた。







 先輩との邂逅は、新歓コンパぶり。こうして、話しかけようと彼に近寄るのは初めて。







 けれど、初任給を振り込んで電話をもらった日からは、わずか3日しか経っていなかった。






 変なの。なんて、言葉のわりに浮ついた調子で漏れた声に頬が熱くなる。その場で頭を振って気持ちをリセットしてから、誰も寄り付かない先輩のもとにそっと歩みを進めた。