時給1050円で働き出した5月、初めてのお給料日。結局、わたしは言われた通りに初任給の21,000円を先輩の口座に振り込んでいた。 「……馬鹿だね、きみは」 と彼からお礼と言う名の口説き電話がかかって来たのは、それから1ヶ月後のことだった。