いつの間にかビックサイズジョッキを机に置いたのか、先輩の冷たい指先によってわたしの顎を強制的に上げられる。






 また、柚子が香って。
 ふわふわした、意識。






 その際奥でサワー特有のお酒らしい匂いもしてきて、目の前まで迫ってきた先輩がわたしとはちがう大人なんだと実感した。






 「なんですかあ、若気の至りって」






 間違ってもキスをしてしまわないように、軽く先輩を押し返して、また無知な振りをした。