瓶ラムネなんて一本も売っていなさそうなタピオカ屋さんまでの道のり。 一度も先輩に振り返ってもらえないまま裏道が途切れて、表通りに行き当たる。 人の話し声がいくつも重なって迫りくるざわめきに飲み込まれてしまう前に、一旦裏通りで足を止めた。 前を向いたままの先輩は気が付かない。 「先輩」 ちゃんと声に出せていたかわからないほどの声量で、先輩を呼ぶ。声に出して言いたいことは山ほどあった。