「この病室の患者さん。目が覚めたのね、良かった。まだ記憶が混んだかしているみたいだけど……元気になったら、あの子を命がけで守ってくれた彼にどうか花を手向けてあげてくださいねって伝えてあげなくちゃいけないのが心苦しいわ。それにしたって、あの大学のベランダの柵、老朽化していたんですってね。怖いわね」








 なんて看護師さんたちが廊下で囁きあう声が聞こえてきても、わたしには関係ない。