どうか、先輩だけは幸せにならないで













「第一、まだ紙でくるなんて古い会社ですね。今はお祈りメールが主流ですよ」







「当然お祈りメールで来る会社もあるさ。でもね僕は古くさい会社が好きだから、あえて紙で来る所を選んでいるんだ。だってたくさん紙飛行機を飛ばせて楽しいでしょ?」







 わかる? と諭される。まったくわからないわけでもなくて、半端に首を斜めに傾けた。久しぶりに折った紙飛行機は船頭が不格好に潰れていた。







 中高生の頃に点数の振るわなかったテスト用紙で作った紙飛行機の方がまだしっかり飛びそうな形をしていて、時の流れを感じずにいられなかった。それよりも以前、小学生の頃は各々の渾身の紙飛行で滞空時間を競うことに命を燃やしていたのも懐かしい。