「理由は特にないけど。 空に飛ばして忘れたいから、かな」 「ちょっと意味わから⋯⋯なくもなくもないです」 「なに。急に素直だね」 「わたしは一応、先輩の共犯者ですから。先輩が悪いことをしたい、もしくはさせたいのなら、お手を汚させる前にわたしがやってやりますよ」 先輩に比べれば、お酒もエナジードリンクも煙草も嗜まないけれど。いや、そもそも大学生だからといって、まだ未成年のわたしにはどれも法律的には許されていないのだから当然か。