「そんなこと言っていますけど、今日もちゃんと先輩に連絡もらってからすぐに来ましたよ」
「いつもより、五分遅かったじゃん」
「そういうの、屁理屈って言うんですよ」
けれど、変わっていったのはいつからか。お酒を限界まで飲んで吐いたとか。目の前で初恋の女の子が別の男に持ち帰られて絶望しているとか。夏の終わりって無性に死にたくなるとか。エナジードリンクって何杯飲んだらカフェイン中毒で死ねるか実験してみた、みたいな目を離したら消えてしまいそうな先輩のツイートが打ち上げられては消えていく花火のように見え始めた。
その儚さが色を失ってしまう前に、今の彼とちゃんと会って話しておきたくて、友人に先輩をちゃんと紹介してもらうことにした。紹介する前の友人からは散々「あのひと、少し変わっているけどいいの?」と確認された。
けれど、それでもいいと首を縦に振ってからは、先輩の時間割を把握して休み時間は必ず会いに行くようになっていた。



