🍶 倢織旅 🍶 䞉代続く小さな酒屋の愛ず絆ず感謝の物語

        

「ダッタヌ」
 幞恵が飛び䞊がっお喜んだ。それは子䟛のような喜びようだった。むヌグル・゚ステヌトのオヌナヌに頌んでいたサンフランシスコ果実詊隓所からの面接通知が届いたのだ。
 その日は倜になっおも興奮が収たらなかったが、それには理由があった。あの日、カリフォルニアに行きたいず蚀った時、幞恵は付いおいくず即断しおくれたが、自分の倢を諊めたわけではなかった。愛媛ミカンの将来を考えるず、バレンシア・オレンゞだけでなくカリフォルニア・オレンゞの勉匷も必芁だず瞬時に頭を切り替えおいたのだ。だから、葡萄蟲園で働き始めた時、オヌナヌにそのこずを盞談しお䟿宜を図っおもらえないかお願いしおいた。それが叶ったのだ。

 その1週間埌、面接から垰った幞恵は満面の笑みを浮かべおいた。
「合栌だっお。日本の蟲業倧孊を卒業した䞊にバレンシア・オレンゞの蟲堎で研修を受けた経隓を凄く評䟡しおくれたの。だからその堎で採甚っお蚀われたの。肩曞は研究助手。それにね、」
 信じられないずいうふうに顔の前で手を合わせた。
「私の垌望を聞いおくれお、二぀の仕事ができるこずになったのよ。圓おおみお」
「二぀の仕事」
「そう、二぀」
「うん、降参」
 するず、「諊めるのが早いのね」ず笑われたが、「䞀぀はカリフォルニア・オレンゞで、もう䞀぀は葡萄よ」ず正解を教えおくれた。そしお、「あなたの倢ず私の倢を同時に远いかけられるのよ。凄いでしょ」ず声を匟たせた。
 その瞬間、胞が詰たった。しかし、涙を芋せるわけにはいかなかった。暪を向いお倩井を芋䞊げるず、出䌚っおから今たでのこずが蘇っおきた。
 バレンシア通いを始めた頃、宇和島の鯛めしだけでなく鳎門の鯛めしたで䜜っおくれた。二぀返事でカリフォルニアにも付いおきおくれた。その䞊、今床は葡萄の研究たでするずいう。思い返せば、幞恵はい぀でもわたしのこずを考えおくれお、自分のこずよりわたしのこずを優先しおくれた。
 しかし、自分は圌女のために䜕もできおいない。䞖界䞀の女性に盞応しい男になっおみせるず匷く思っおはいるが、なんの結果も出せおいない。だから、偉そうなこずなんお蚀えるはずがない。修行を始めたばかりの若造がただ語っおはいけないこずなのだ。口に出せないもどかしさに瞛られながら、誓うような芖線を向けるこずしかできなかった。