🍶 倢織旅 🍶 䞉代続く小さな酒屋の愛ず絆ず感謝の物語

        

 うん  、
 厇が諊めお垰ったあず、孞は腕を組んで唞り続けおいた。名案がないものかず思案し続けおいた。䌚瀟に盞談しお欲しいず厇は蚀っおいたが、萜ち目の酒蔵の買収案件に䌚瀟が興味を瀺すはずがなかった。䞀蹎されるこずは目に芋えおいた。だから、䌚瀟を説埗できる案をなんずか捻りだそうずのたうち回った。

 色々な案を無理矢理絞り出した。倜、これだずいう案が浮かんで曞き留めたこずもあったが、朝起きお芋盎しおみるず、たいしたアむディアではないこずに気づいお萜胆したこずもあった。それでも諊めなかった。䌚瀟を動かすための方策を幟晩にも枡っお考え続けた。

 そうこうしおいるうちに、フランスの取匕先である有力メゟンの経営者が来日する日が近づいおきた。
 その準備をしおいる時、ふずあるこずが浮かんできた。もし圌が気に入っおくれれば、それは倧きなきっかけになるかもしれない。うたくいけば起死回生の結果が生たれるかもしれない。そう思うず、突然、分厚い氷河の䞭から滲み出おくる透き通った氎の流れが脳裏に浮かんだ。
 そうだ、どこにでも突砎口はある。䞍可胜なこずはないのだ。
 そう思うず、居おも立っおもいられなくなった。䞀か八かかもしれないが、この機を逃しおはならないず、孞は意を決しおその経営者を自宅に招いた。

「日本のSAKEを飲んでみたせんか」
 ただ䞀床も日本酒を飲んだこずがないずいうその経営者は、切子のグラスに泚がれおいく透明な酒を興味深そうに芋぀めおいたが、ゆっくりず錻に近づけるず、おっ、ずいうような衚情が浮かんだ。
 いけるかもしれない、
 期埅の目で芋守る䞭、圌が口に含み、舌の䞊で転がすかのように口を動かした。
 どうかな 
 圌の衚情の倉化を芋逃さないように泚意深く探り続けおいるず、圌は飲み蟌み、喉の奥で䜙韻を楜しんでいるような感じになり、錻に抜ける銙りを味わっおいるようにも芋えた。
 どうかな 
 圌の口元が動くのをじっず埅っおいるず、味わい終えた圌はグラスを持ったたた孞に芖線を向けお埮笑み、「おいしいです」ず空になったグラスを差し出した。それは、お代わりの合図だった。
「䞀献盛・玔米極䞊酒です」
 ダッタヌ、ず叫びそうになるのを抑えお静かに酒を泚いだ。衚情を匕き締めおいる぀もりだったが、それでも、緩んでいくのを止めるこずはできなかった。泚ぎ終わった時には顔䞭に笑みが広がっおいた。

 䜐賀倢酒造の売䞊は萜ちる䞀方だったが、唯䞀、䞀献盛・玔米極䞊酒だけは特別な愛着を持った熱烈なファンに支えられお、利益が出るギリギリの出荷を維持できおいた。だから、その酒がフランス人に受け入れられるかどうか、どうしおも確かめたかった。受け入れられれば突砎口が開けるず確信しおいたからだ。
「おいしいです」
 圌はたた、空になったグラスを差し出した。
「おいしいです」
 䜕床もお代わりを芁求した。それは孞にずっお突砎口にお墚付きを䞎えおくれる特別な蚀葉のように聞こえた。