「お兄…あれでよっかたの?」
「よっかたも何もこーするしかねーよ。あいつらが知ったら目の色変えて飛びつくぜ
「…そうだけど」
「嘘かもってか?」
「……………」
「お前が一番わかってんだろ?」
そういうと黙る陸玖。
海偉達ヴァンパイアハンターは吸血種との幾度となく激しい戦争に身をと怖じていたせいか五感が研ぎ澄まされある意味能力的な力を持って産まれてくるものが稀に存在する。
何百年も経ちその遺伝子は失われつつあるが
陸玖は微力ながら吸血種の気配が分かる。
-陸玖が言わなきゃこんな突拍子もない話そもそも信じない。
色々疑問はある。
誰にもバレず【リアゾン】で生きていた、しかも学校にも通っていた。吸血衝動も自傷行為で抑えていた。そんなこと本当に可能なのか?
いくら半分しか吸血種の血が入っていないからって…
「…お兄」
「な~んだ?妹よ~」
「さっきの|翼《》つばさって子、なんだか嫌な感じがする」
「それはダンピールだからか?」
陸玖は黙り言葉を考える。
「…なんかそれとは別に…うまく言葉で言えないけど」
「……そっか」
-陸玖がこんなことを言うのは珍しい。なんか嫌な予感がするなあ~。ああ、いやだいやだ
俺はめんどくさい仕事が大嫌いなんだ。
そして海偉達は地下を通って【リアゾン】へと帰った。


