都会の病院にいた頃より
マシになったとは言え、相変わらず
些細なことで悲鳴を上げる貧弱な体


起き上がるのも、歩くのも
食事を摂ることさえ一苦労で

それでも、四六時中、寝たきりの廃人には
なりたくなくて、懸命に努力した


地道な努力は
ゆっくりと、けれど着実に実を結んだ


亀のようなスピードではあるけれど
平坦な道であれば
息切れを起こさずに、歩けるようになった

食事も時間をかければ
用意された分を完食できるようになり

食べられるようになったおかげか
立ちくらみや、めまいを起こす頻度も減った


マイナスが、ゼロにほんの少し
近付いただけに過ぎなくても
その確かな変化は、自分を勇気づけてくれた





たとえ






『…………嘘、ですよね…?』





どれほど努力しようが





『……………この子の余命が………』





願おうが





『……………………あと、1年だなんて…………』







行き着く先は変わらなかったとしても