公園でピッツァとパスタとミートパイがじゃれあっているのを見た。
　でもここの公園は食べ物禁止だったし、周りの人達が迷惑そうに見ていたので私は家に持ち帰ることにした。
　家に帰るとさっそくピッツァとパスタとミートパイは走り回っていた。
　ピッツァとパスタとミートパイは健康そうだったがとりあえずレストランに行き健康状態を確認することにした。
　ピッツァとパスタとミートパイの3品は特に騒ぐことはなく大人しくレストランに行くことができた。
　ピッツァとパスタとミートパイをシェフに診てもらったが、特にこれといった病気や怪我はなく健康だった。
　今流行っている細菌やウイルスがついていたら処分対象だったと言われていたので私はほっとした。
　シェフは私に交番か自治体に問い合わせることを勧めた。
　私は交番に問合せてみたが、飼い主はおらず、最終的に食品愛護センターに保護されることになったが、保護の準備が整うまで時間がかかるためしばらくピッツァとパスタとミートパイを預かることになり、食品愛護センターの人から世話の仕方を教わった。
　ピッツァとパスタとミートパイのためにオーガニックの小麦粉を買ったりした。
　次の日、ピッツァとパスタとミートパイを散歩に連れて行ったが、ピッツァがパイナップルピザに向かって威嚇したり、パスタはラザニアにおびえたり、ミートパイは神経質にタルトを見ていた。
　この3品も元気なだけはではないのだなと思いながら家に帰った私は、食品愛護センターに使うといいと言われたオーガニックの小麦粉を3品に与えた。
　一緒に遊んだり、パセリを与えてみたり、一緒にテレビを見たり。そんなことをしているうちに数日間が経ち、食品愛護センターに迎える準備が整ったと知らせをもらった。
　知らせをもらった次の日、私とピッツァ、パスタ、ミートパイは食品愛護センターに行った。
　食品愛護センターは暖かい雰囲気で、壁には食べ物のイラストが描いてあったり、「捨てる場所ではなく新たな人に受け渡す場所へ」というキャッチコピーが書かれた横断幕が飾られたりしていた。
　私は3品に別れを告げた。ピッツァとパスタとミートパイはよくわかっていないようだったがそれでいいと私は思い、職員さんに3品を引き渡した。
　職員さんは私が飼い主になることを勧めたが、まだ飼育環境や健康面がまだ整っていなかったのでいったん断ることにした。
　ピッツァとパスタとミートパイを食品愛護センターに引き渡し数週間が経った頃、テレビのニュースでこんな特集をやっていた。
「今年の食品の殺処分の数は13億品以上になっており、これは世界中の食品の約3分の1にのぼり、このままだと食料問題が深刻化し、食品をめぐっての争いが起きたり、貧富の差が激しくなる可能性もあり、場合によっては食品がこの世界から消える可能性もあり...」
　私はピッツァとパスタとミートパイをすぐさま迎え入れれるようにし、食品愛護センターに急いで向かった。
　肩で息をしている私を見て職員さんには
「そんなに急がなくてもよかったのに。」
と言われてしまったが、私は今しかないような気がしてここに来たのでよかったと思っている。
　職員さんからピッツァとパスタとミートパイを引き渡してもらい、家に帰った。
　食品は誰かの命によって生まれた命だ。きっと食品の処分は誰かの命によって生まれた尊い命を奪うことなのかもしれない。