緋音(あかね)、そろそろ私たちの組を出て独り立ちしてみないか?」

 突然、父にそう提案された。

「何で、またそんな急に…」
「まあ、緋音もそろそろ独り立ちに良い年じゃないか。」
「んー…藍斗(あいと)の婚約者で、良いんだったら…」
「もちろんさ。藍斗君は良い子だからね。何なら、もう結婚してくれたってかまわないよ?二週間後とかは?」
「——へえっ⁈」

 そんなこんなで、二週間後に婚約者の藍斗と結婚、その一週間後に【葉雪(はゆき)組】への独り立ちが決定した。