カフェを出て、ぼうっと光る月を見て、また歩き出した。
駅に向かおうとしたのだけれど、まだ何か少し物足りなくて、もう少し歩くことにしたのだ。
きょろきょろとあたりを見回しながら、ふと暗さが際立つ路地裏を見つけた。
こういうところに、映画や漫画では素敵なお店がある。気まぐれで、その路地裏を行ってみることにした。
「…わぁ、こんなとこあったっけ」
しばらく進むと、先に煌びやかに光るネオン街が見えた。こんなところに、こんな綺麗な場所があるだなんて。
ただ、そこに近づくにつれて、なんだか少し怖い雰囲気が漂ってくる。
なんだか、あまり足を踏み入れたくない、「大人」の怖さ的なものが、そこにはあった。
きっと飲み屋が連なっているのだろうけれど、私はお酒が苦手なので、色々と考えて引き返そうとした。
体の向きを変えた、その時だった。
『カフェ「DETOX」』
白く光ったネオンに、落ち着きのあるシックな外装。
そのお店は、先にあるネオン街とは対照的で、静かに佇んでいた。
ここ、なんだか良さそう。
そう思って、私はお店へ入った。
落ち着きのあるゆったりとした店内BGMと、少し薄暗い照明が、自分を包み込む。
少し先に目をやると、黒いシャツを着た店員さんがいた。
信じられないほど、かっこよかった。
白い肌に、大きな瞳が映えている。少し瞳にかぶさった前髪が揺れる。真っ黒な髪色が、マッシュヘアーをよりかっこよくする。
髪が揺れて、少し見えたピアスがきらりと光る。横顔でもわかるかっこよさだった。かっこいい、を通り越して美しいほど。
こんなにかっこいい人っているんだ。
私はその場で考えてしまっていた。ここは少し場違いなのでは?お客さん、みんなお洒落だし。それから店員さん…。
いや、でもここがいい。せっかく入ったんだから、何か注文しよう。
そう思って進むと、あのかっこいい店員さんと目が合った。
その店員さんも、私のことを見て固まっていた。驚いた顔で、こちらを見続けている。
どうしよう、何か変なものでもついてたのかな?なんでそんなにびっくりしてるの…?
ただ、少しすると、顔がほころんだ。
「いらっしゃいませ」
細められた瞳と美しいバランスに上げられた口角は、本当にかっこよかった。ピアスは沢山ついていて、細長いのもあった。
いざ席に座る。少し奥でコーヒーを入れているのはマスターだろうか。
このお店の店員さんは二人。その他にお客さんが四人ほど。
私の前に、かっこいい店員さんが立つ。
「今日はどなたかと待ち合わせで来られたんですか。まだ、そういった人は見かけていませんが」
その声色は、とても優しかった。
駅に向かおうとしたのだけれど、まだ何か少し物足りなくて、もう少し歩くことにしたのだ。
きょろきょろとあたりを見回しながら、ふと暗さが際立つ路地裏を見つけた。
こういうところに、映画や漫画では素敵なお店がある。気まぐれで、その路地裏を行ってみることにした。
「…わぁ、こんなとこあったっけ」
しばらく進むと、先に煌びやかに光るネオン街が見えた。こんなところに、こんな綺麗な場所があるだなんて。
ただ、そこに近づくにつれて、なんだか少し怖い雰囲気が漂ってくる。
なんだか、あまり足を踏み入れたくない、「大人」の怖さ的なものが、そこにはあった。
きっと飲み屋が連なっているのだろうけれど、私はお酒が苦手なので、色々と考えて引き返そうとした。
体の向きを変えた、その時だった。
『カフェ「DETOX」』
白く光ったネオンに、落ち着きのあるシックな外装。
そのお店は、先にあるネオン街とは対照的で、静かに佇んでいた。
ここ、なんだか良さそう。
そう思って、私はお店へ入った。
落ち着きのあるゆったりとした店内BGMと、少し薄暗い照明が、自分を包み込む。
少し先に目をやると、黒いシャツを着た店員さんがいた。
信じられないほど、かっこよかった。
白い肌に、大きな瞳が映えている。少し瞳にかぶさった前髪が揺れる。真っ黒な髪色が、マッシュヘアーをよりかっこよくする。
髪が揺れて、少し見えたピアスがきらりと光る。横顔でもわかるかっこよさだった。かっこいい、を通り越して美しいほど。
こんなにかっこいい人っているんだ。
私はその場で考えてしまっていた。ここは少し場違いなのでは?お客さん、みんなお洒落だし。それから店員さん…。
いや、でもここがいい。せっかく入ったんだから、何か注文しよう。
そう思って進むと、あのかっこいい店員さんと目が合った。
その店員さんも、私のことを見て固まっていた。驚いた顔で、こちらを見続けている。
どうしよう、何か変なものでもついてたのかな?なんでそんなにびっくりしてるの…?
ただ、少しすると、顔がほころんだ。
「いらっしゃいませ」
細められた瞳と美しいバランスに上げられた口角は、本当にかっこよかった。ピアスは沢山ついていて、細長いのもあった。
いざ席に座る。少し奥でコーヒーを入れているのはマスターだろうか。
このお店の店員さんは二人。その他にお客さんが四人ほど。
私の前に、かっこいい店員さんが立つ。
「今日はどなたかと待ち合わせで来られたんですか。まだ、そういった人は見かけていませんが」
その声色は、とても優しかった。



