『とても……甘い……いい匂い。美味しそう』
美味しそうって、なんだろう。お菓子の匂いでもするのだろうか。と、わきのあたりをくんくんしてみる……汗の匂いしかしない。
「ベルって呼んでいいよ」
「わっ!」
すごくびっくりした。気を向けていなかったら、いつの間に目の前に逸瑠辺さんが立っていた。マスクしててわからないけど……にい、と笑ってる……ように見えた。
「やっぱり、きみ。その匂い好き」
「に、匂い? ……するかなあ?」
「おーい、ゆう、女子集めろよー」
ろうか側に集まる翔が、いちばん前の真ん中の席のゆうに声をかける。ゆうは、いいことを思いついた。
「ね、君も一緒に来ない? たんけん」
「たんけん?」
「うん、今日はいつもんとこ。……たんけん。楽しいよ?」
「あー、だめだめ」
けれど翔がおもむろに歩み寄る。
「そいつ、だめ」
「は?」
昨日はベルちゃんとか言ってでれでれしてたくせに、今日になって手の平を反してイライラした顔してる。なんで?
美味しそうって、なんだろう。お菓子の匂いでもするのだろうか。と、わきのあたりをくんくんしてみる……汗の匂いしかしない。
「ベルって呼んでいいよ」
「わっ!」
すごくびっくりした。気を向けていなかったら、いつの間に目の前に逸瑠辺さんが立っていた。マスクしててわからないけど……にい、と笑ってる……ように見えた。
「やっぱり、きみ。その匂い好き」
「に、匂い? ……するかなあ?」
「おーい、ゆう、女子集めろよー」
ろうか側に集まる翔が、いちばん前の真ん中の席のゆうに声をかける。ゆうは、いいことを思いついた。
「ね、君も一緒に来ない? たんけん」
「たんけん?」
「うん、今日はいつもんとこ。……たんけん。楽しいよ?」
「あー、だめだめ」
けれど翔がおもむろに歩み寄る。
「そいつ、だめ」
「は?」
昨日はベルちゃんとか言ってでれでれしてたくせに、今日になって手の平を反してイライラした顔してる。なんで?