「それは、満月の始祖にもですか」

 だれも試していないからわからないが、そうに違いないと私は考えている。……これをあげよう。君に残された最後の切り札だ。

「おじいちゃん、それって!」
「正夫さん、それは違法です」

 毅さん、あんたが教師なのは知っているが……どうかこれだけは大目に見てもらえんかの。この村を救うことが出来るのは、今やゆうくんだけなのだ。

「……わかりました。ゆう、受け取りなさい」
「……はい」

 ……

 それは、銀色の、西部劇に出てきたような、回転式の古い拳銃だった。ずっしりと、重い。

「銀の弾丸が一発だけ、入っている。もうそれしかないんだ。……きみに始祖を見抜く力があれば、満月のモノを根絶することができる」