「でも……その後……ゆうちゃんは……」
口を押さえながら、沙羅は告げた。
「立ったんだよ。……体の中は、空っぽなのに……『ベルを返せ』って。そう叫びながら、目の前にいたおおかみたちを……殺したんだ……瞳を真っ赤に光らせながら……それからは……何時間もかけて食べた。ひとつ残らず、何時間も……あたしは怖くて怖くて。おじいちゃんにすがり付いて、目をつぶってた。食べる音が終わったあと……その、言ったんだ」
沙羅はもう泣いていた。それを伝えるのを心底恐れているかのように。
「……なんて……?」
「『ベル、おかえり』……って……ねえ。……ゆうちゃんは……ゆうちゃんだよね」
ぼろぼろと涙をこぼしながら聞いてきた。
「いつも帽子を被ってて、翔といつも一緒にいて、あたしをガサツ女だって言わない、あの優しいゆうちゃんだよね」
「……そう」
そうであって欲しい。でも。
口を押さえながら、沙羅は告げた。
「立ったんだよ。……体の中は、空っぽなのに……『ベルを返せ』って。そう叫びながら、目の前にいたおおかみたちを……殺したんだ……瞳を真っ赤に光らせながら……それからは……何時間もかけて食べた。ひとつ残らず、何時間も……あたしは怖くて怖くて。おじいちゃんにすがり付いて、目をつぶってた。食べる音が終わったあと……その、言ったんだ」
沙羅はもう泣いていた。それを伝えるのを心底恐れているかのように。
「……なんて……?」
「『ベル、おかえり』……って……ねえ。……ゆうちゃんは……ゆうちゃんだよね」
ぼろぼろと涙をこぼしながら聞いてきた。
「いつも帽子を被ってて、翔といつも一緒にいて、あたしをガサツ女だって言わない、あの優しいゆうちゃんだよね」
「……そう」
そうであって欲しい。でも。