「ゆーくん。どったの?」
美玲が眠たそうに玄関のドアを開けている。ピンクのクマのパジャマに短めのウルフカット、くりくりした目。いつもの、美玲だ。
あの時の光景が浮かぶ。茜だったおおかみに喉を食い破られる、美玲が。
「……首、大丈夫なの?」
「くびぃ? ……首って?」
右手でさする彼女の首元には、傷跡どころか蚊に刺された跡すらない。ゆうは、ほっとしたのと強烈な違和感とがぐちゃぐちゃに混ざって、よくわからない。
「なんとも、ないの?」
「なんともないって、なによう」
美玲は眠たそうに目をこすった。
「ふああ。……なんにもないなら閉めるよ?」
「チェーンソー・ヤイバ」
「は?」
なんでもいいから、試したくなった。
「チェーンソー・ヤイバって、知ってる?」
「バカにしないでよ! 知ってるも何も超推しの神作品だよ、知ってるに決まってるでしょ! ……あ!」
あー、はいはい。そういうと、手をぱちんと叩いて納得した。
「ゆーくんも、ようやく読んでくれる気になったんだね! なつやすみだもんね、まとめ読みしたいもんね!」
「え、あ、ちが」
「待ってて!」
がちゃんとお洒落な黒いドアが閉まった。
美玲が眠たそうに玄関のドアを開けている。ピンクのクマのパジャマに短めのウルフカット、くりくりした目。いつもの、美玲だ。
あの時の光景が浮かぶ。茜だったおおかみに喉を食い破られる、美玲が。
「……首、大丈夫なの?」
「くびぃ? ……首って?」
右手でさする彼女の首元には、傷跡どころか蚊に刺された跡すらない。ゆうは、ほっとしたのと強烈な違和感とがぐちゃぐちゃに混ざって、よくわからない。
「なんとも、ないの?」
「なんともないって、なによう」
美玲は眠たそうに目をこすった。
「ふああ。……なんにもないなら閉めるよ?」
「チェーンソー・ヤイバ」
「は?」
なんでもいいから、試したくなった。
「チェーンソー・ヤイバって、知ってる?」
「バカにしないでよ! 知ってるも何も超推しの神作品だよ、知ってるに決まってるでしょ! ……あ!」
あー、はいはい。そういうと、手をぱちんと叩いて納得した。
「ゆーくんも、ようやく読んでくれる気になったんだね! なつやすみだもんね、まとめ読みしたいもんね!」
「え、あ、ちが」
「待ってて!」
がちゃんとお洒落な黒いドアが閉まった。