おじいちゃんの家に、ゆうちゃんのお父さんも呼んだ。
 始祖の討伐。ゆうちゃんの口からそれを聞いたおじいちゃんは歓喜の声をあげた。
 でも、始祖がゆうちゃんのお母さんだったことを知ると、みな色を失った。

「そうか……静が……ああ、そうか、思い出した。あの日、階段から落ちた時。もう静は死んでいたんだな」
「静さんが……そうか。ゆうくん。つらい思いを強いたね。まことに、申し訳ない」

 それから十分間くらい。沙羅も入れてみんな口を閉じて頭を下げたままだった。
 そして、彼は思いもよらないことを言った。

「沙羅、おじいちゃん。お父さん。伝えたいことがあるんだ」

 ……

「そんな……」

 沙羅は涙を零した。

「それが、君が出した答えか……」
「ゆう。そうお前が決めたなら……」

 ゆうちゃんはうなずいた。

「うん。もう決めたんだ。お母さんとベルも、賛成してくれてるはずだよ」
「そんな、あたしはいやだよ! ゆうちゃんから離れないといけないなんて!」

 沙羅は涙を散らした。