(新月の目……全開。新月の爪……発動。新月の瞬足……駆動準備完了)
今こそ雌雄を決する時だ。ゆうはお母さんを見る。新月の目が、満月の目の気配を探知する。……お母さんが、こちらの動きをうかがっている。
(なら、こっちから!)
瞬きの百分の一の速度で、お母さんまでの五メートルを詰め、斜め上から飛行機のプロペラより速い速度で爪を振り下ろした。どすっ……鈍い音がする。いつもあゆみ先生が立つ教卓が、バターのように柔らかく切り取られた。刹那……妊娠しているとは思えない速さで身体を大きく逸らし爪を回避したお母さんのハイキックが、ゆうの頭を直撃する。ゆうは首の骨を折りながら、くるくるとまるでスクリューのように回転しながら、教室の机を弾き飛ばして反対側の壁に激突した。
シャッ。お母さんが短く息を吐く。
一秒後。しゅうう……こきっぱきっ……
へし折られた頚椎を修復しながら、ゆうが立ち上がる。
「原子レベルでバラバラにしないと、ゆうちゃんには勝てない……ってとこかしら?」
今こそ雌雄を決する時だ。ゆうはお母さんを見る。新月の目が、満月の目の気配を探知する。……お母さんが、こちらの動きをうかがっている。
(なら、こっちから!)
瞬きの百分の一の速度で、お母さんまでの五メートルを詰め、斜め上から飛行機のプロペラより速い速度で爪を振り下ろした。どすっ……鈍い音がする。いつもあゆみ先生が立つ教卓が、バターのように柔らかく切り取られた。刹那……妊娠しているとは思えない速さで身体を大きく逸らし爪を回避したお母さんのハイキックが、ゆうの頭を直撃する。ゆうは首の骨を折りながら、くるくるとまるでスクリューのように回転しながら、教室の机を弾き飛ばして反対側の壁に激突した。
シャッ。お母さんが短く息を吐く。
一秒後。しゅうう……こきっぱきっ……
へし折られた頚椎を修復しながら、ゆうが立ち上がる。
「原子レベルでバラバラにしないと、ゆうちゃんには勝てない……ってとこかしら?」

