だが、明治政府の人外の駆逐は進んでいた。新月のモノの国内での捜索は月日が経つ事に困難になっていった。
……
十六年前。隣国にてようやく新月のモノを見つけたとの報告に愁眉を開いた。そして姉はその写真を見て、ひと目で心を奪われる。
(こんなに、こんなに綺麗な女の子が、新月のモノ?)
七百年近く生きているという新月のモノ。それも自分たちと同じ、始祖だと言う。自分より長く生きてきたモノに出会うのは初めてだ。その日から姉は、その新月に尋常ならざる執着をした。
おおかみ何人かを引き連れて、海を渡った。飛行機を降り、空港を出て、クルマで何時間も走らせた。そして見つける。大国ロシアの奥地。辺境の村の、古い教会に住んでいた。雪に覆われたその建物のドアをノックした。
「ベルベッチカ・リリヰさんかしら?」
ドアを開けた少女はこくりとうなずいた。
……
十六年前。隣国にてようやく新月のモノを見つけたとの報告に愁眉を開いた。そして姉はその写真を見て、ひと目で心を奪われる。
(こんなに、こんなに綺麗な女の子が、新月のモノ?)
七百年近く生きているという新月のモノ。それも自分たちと同じ、始祖だと言う。自分より長く生きてきたモノに出会うのは初めてだ。その日から姉は、その新月に尋常ならざる執着をした。
おおかみ何人かを引き連れて、海を渡った。飛行機を降り、空港を出て、クルマで何時間も走らせた。そして見つける。大国ロシアの奥地。辺境の村の、古い教会に住んでいた。雪に覆われたその建物のドアをノックした。
「ベルベッチカ・リリヰさんかしら?」
ドアを開けた少女はこくりとうなずいた。

