「ねえ、僕はどうなったの?」
「しばらく身体を借りていてね。戦っていたんだ。けれど……オリジンに、負けた」

 ベルは寂しげに言った。ゆうは下を向いた。

「そっか……僕たち、死ぬの?」

 ベルベッチカは歩み寄り、ゆうの顔を覗いて首を横に振った。 

「ここにずっといることも出来るし、戦いを挑むことも出来る」

 ゆうもベルを見た。

「でもベル、君で勝てない相手に、僕なんかじゃ勝てないよ」
「ふふふ。大丈夫。勝算はまだあるよ」

 そういうと、ベルはゆうのおでこに触った。

「奴に接触してね。記憶を覗けたんだ。オリジンの真の姿と、奥に何か秘めていることがわかった」
「オリジンの真の姿?」

 ゆうはベルを見た……やさしく、微笑んだままだ。

「今から、それを君にたくす。そして、決めるんだ。このままここに留まるか。この村を縛り続けた呪いと愛を滅するか」

 そう言うとベルの手が暖かくなった。と同時に、知らない景色が洪水のように流れ込んできた。
 ぷつり、とゆうの意識は切れた。